藍原寛子さんの新刊インタビューを担当

福島在住のジャーナリストとして、東日本大震災を経ての福島を見つめ、能登半島地震に見舞われた能登を支援しつつ、取材を続ける藍原寛子さんの新刊『フクシマ、能登、そしてこれから 震災後を生きる13人の物語』が刊行されました。これにちなみ開催された発刊記念イベントの告知用として、藍原寛子さんのインタビュー記事を担当しました。

「PR TIMES」掲載のインタビューなので、インタビュアーの名前が出ないことが多いのですが、今回は記事を気に入ってくださったこともあり、署名記事の扱いになりました。

『フクシマ、能登、そしてこれから 震災後を生きる13人の物語』は、タイトルの通り、福島、能登の震災と向き合いながら、今を生きる13人の方たちへのルポルタージュです。福島の方たちのなかには、福島民報の記者経験のある藍原さんと震災前からお知り合いだった方もいます。一方で、能登の方たちは、藍原さんが被災地支援に回ったり、海外メディアの取材同行を通じて知り合った方たちだそうです。

大規模な災害は、大局的にくくられがちですが、その地で生きる人たちにはそれぞれの物語があり、事情があります。置かれた立場、仕事、生活、人間関係を多面的に見つめながら、13人の方たちをキーにして、有機的につながる人々まで描き出した本書は、現地のリアルな声を知るのにふさわしい良書だと思いました。

被災地以外の人間は、「震災から何年目」と節目で語りがちですが、被災に遭った方たちにとっては、時間はつながっていて、1日1日がずっと地続きです。福島では同じ地元に生きる人間からの目線で、能登では、共に大災害に遭い、復興がなかなか進まない地に住む者同士としての視点を大切にする、藍原さんの人々に寄り添う気持ちが伝わってくる一冊です。