ライターと記者の違い、ジャーナリストとの違い


長年、同じ仕事をしていると役割が変わってくる。以前は、実用中心で健康・医学分野で医師などの専門家に取材し、一般読者にわかりやすく解き明かす月刊誌の原稿がメインだった。


雑誌が減ったことで、増えてきたのは記者的な仕事。タイムリーなトピックスを追いかけ、できるだけ早く原稿にする仕事だ。


しかし、フットワークがそれほどいいわけではないので、スピードを求められる仕事が「しんどいなぁ」と思うこともある。瞬間的に起きた事象を素早く文字にするなら、新聞記者や新聞記者系ライターにはかなわない。


「どうしてそうなるのか」という謎解きのほうが好きなので、ある程度、時間をかけて誌面構成を組み立てながら取材し、原稿を書いていきたいと思うのだけど、ご時世、そうは問屋が下ろしてくれない。月刊誌であればちょうどよいペース配分と文字量だったのだけど、今はもうその場がほとんど消えてしまった。


かといって単行本も取材と執筆には時間がかかる。見本を手にしたときの満足感は本作りの喜びの一つだが、今の時代、よほど売れなければ、収益の柱にするのは厳しい。はてさて、どうしたものかと思いつつ、だましだましやっているような状態だ。


今の時代に求められるライターとは、どんな存在なのか、と考える。編集プロダクションとして、編集者に徹する手もあるのだが、書くことを手放したくもない気持ちをずるずると引きずって、ここまで来てしまった。


海外では、Writerといえば作家のことだ。私のような仕事はjournalistになる。でも、私は、アメリカなどのjournalistほど、個を確立して何らかの問題に切り込むほど、専門性に長けているわけでもない。要は中途半端なのだ。


それでも、スピード重視でもなく、書籍の重量級でもなく、その中間にある立ち位置で「なぜ、そうなるのか」「どうしたらいいのか」を探り、文字として伝える仕事は必要なのだと思う。そう信じて、今日もぽちぽちキーボードを打っている。



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